心の興味関心の向かう二つの方向性と、意味を認識する為の四機能一組によって構成されている心の定義枠組み、それらによって規定される所謂「性格」と呼ばれるもの
=「タイプ論」
原理的には無意識と呼ばれる空間内で
上下軸を司る意識の指向性=「外向」と「内向」
と
情報を認識判断する為の四機能=縦軸を司る「思考」と「感情」、横軸を司る「感覚」と「直観」
という構成軸による三次元的な座標定位的定義によって形成されたと思われる。
要は空間認識と同様、概念認識にも空間的に展開された機能による認識が必要という事?
この構造の中心点且つ全体は「自己」と定義され、「個人の性格」とはこの空間内に位置する「自我の在り方の偏り」によって生じる。
以下心的機能別定義。
・外向 – 内向
リビド(心的能動性)が向けられる方向性。
それが外界の物質的な客体に向けられるか、内界の観念的な客体に向けられるかの違い。
・合理機能
判断機能軸の二極。客体に対する判断を行う。
・思考
客観的ロジックによる意味付けを行う。
・感情
主観的好嫌による価値付け、客体に対する受容可能性の判断を行う。
・非合理機能
知覚機能軸の二極。客体の存在を知覚する機能。
・感覚
現実的な客体の存在を知覚する機能。しかしその対象に対する判断は行わない。
・直観
目の前の現実を超えた予感や予知の類い。具象化行使するには思考機能等の補助が必要とされる。
上記の二つの方向性と四機能の内の一つづつを組み合わせたのが「典型的な個人格」となる。
例えば「外向的 – 思考タイプ」とか「内向的 – 感情タイプ」とかとか…計八種類。
要は空間認識と同様、概念認識にも空間的に展開された機能による認識が必要?という事か。
通常使用されるのはこの三次元的空間的に展開された定義の内の一部の機能だけで、構造のほぼ半分以上は劣等機能として無意識内に埋没している。
基本的には男性なら思考機能、女性なら感情機能などの限られた機能を優越機能として優先的に使用し、その他の機能は劣等機能として無意識下に埋没、場合によってはネガティブな形でその機能を表出させる。(男性なら感情的暴発、ヒステリーとか、女性なら破綻した思考、屁理屈みたいに)
そして所謂「心的な成長」とは、意識的に劣等的な心的機能を能動的に行使し機能させる事によって心の一面性に対する十全性を獲得してゆく事を指す。
これは所謂「自己実現」プロセスと同義であり、自己実現は心的理論構造上においては「意識と無意識との統合」と表現出来るが、タイプ論上では「性格の全構成要素の活性化」という形で表現出来る。
何故って「無意識の意識化による統合」と「無意識に埋没した心的機能の意識化による活性化」は同義だから。(余談ながら性格に典型的なタイプがあるならその接点では典型的な状況が発生してるだろうな…)
「意味情報獲得プロセスの心理学的過程」にて若干の補項がしてあります。