メソポタミア文明の結論としてのキリスト教から心理学の発生に至るまで

文明の発生:
食糧や火、水等自然の恩恵を甘受する狩猟採集から、自身で必要なものを生産する農耕牧畜への変化とそれに伴う文化の成熟。文化の成熟によって営まれるようになった創造的行為と行為が具象化された成果は相関進化し、結果文明が形成されたと思われる。

 

シュメール人の世界観:
シュメール神話における、天と地の間に生まれた風を司る主神エンリルと、大地と地下の海アプスーとの接点で出来た泥から生まれた人間の対比は、実現されるべき理想としての自己と、外界と内界(無意識)との接点から生まれた自我という関係の象徴と解釈できる。
アプスーとは無意識の象徴と言った所か。

 

メソポタミアの宗教観:
各都市国家に都市神がいて王権を奪い合う構図から、アッカド、アッシリア、バビロニアなどの広域帝国の出現による都市神や神話の習合の結果、一神教的宗教観と世界宗教の萌芽、王の神格化による神の受肉という哲学概念の形成へと繋がったと考えられる。

 

メソポタミア文明の結論としてのキリスト教:
メソポタミアで発生した文明と戦乱による離合集散は宗教、哲学体系を生み出し、ヘブライ人の手でユダヤ教へと纏められた。

後にナザレのイエスをきっかけに民族宗教から解放され世界宗教としてのキリスト教が発生したと思われる。

ヘブライ人のメソポタミア史に置ける被征服民という立場が、都市国家間における敵を必要とする戦いの神から法による客観的な支配と言う概念を生み、さらに愛と寛容による統治という世界宗教の特色を育む萌芽となったと思われる。

 

心理学の発生:
恐るべきユダヤ教の神を「愛」と定義して無害化する試みがキリスト教神話。
その結果人間にとって都合の良い部分はキリストとなったが都合の悪い部分も抑圧された潜在力として同等の力を与えられた。

この象徴の中には人間の意識と無意識の分化という有史以前から続く長い歴史が表されている。
そして19世紀末に至り人間の意識が無意識を客体として観測可能な迄に分化は進み、結果学問としての心理学が発生した。

その背景には、近代革命による「合理的」精神が宗教等に代表される「非合理」的なるものを抑圧した結果世界大戦に代表される惨劇が引き起こされた、と言う反省から来る、「非合理」的なるものの現代的(心理学的)受容、と言う歴史的必然が存在する。

今後は意識という現象(ソフトウェア)と脳という臓器(ハードウェア)を科学的に紐付けてゆくものと思われる。

 

物質的支配と思想的支配の違い:
オリエントの統一は優秀な個人の手で確立されその死と共に衰退、優秀な組織体の支えが有っても数十〜数百年で破綻した。
しかしその中から生まれたユダヤ・キリスト教世界の寿命は二千年を超えようとしている。
思想による統一とはそのリソースとなる情報が量という概念を持たない為に空間的にも時間的にも制約を受けないのかもしれない。

そして高次な情報とは物質的な豊かさの結晶でもある。

投稿者:

ノクタジュール

万年筆が好きな人。