赤の書

ユングの赤の書はとても興味深い一冊で、ユング後年の書は赤の書においてファンタジー形式で記述されている内容の学術的翻訳とすら言える。
しかしこの本は他のユングの著書を読んでそこで用いられている言葉や概念の意味、世界観を理解した上で読まないとただの風変わりな文学、で終わってしまう、かなり厄介かつ難解な本だろう。

著述順にいうと黒の書 → 赤の書 → その他いつもの学術論文、となるが、この赤の書を読者が真の意味で理解するためには著述順と逆のルートを辿らねばならない、と。
例えば作中登場する黒い蛇はタイプ論で言うところのユングの劣等機能の擬人化で、その他エリヤやサロメなどもユングのタイプ上の機能の擬人化(=影やアニマなどの元型)、と認識出来るとこの辺り一文に合理的な意味や構造があるのが分かってくる。

登場人物の配置に元型やタイプを当てがった作品は種々様々あるだろうが、本家からして初出がこの構造を持っててしかもそれを著者自身が分析して行くという。(怪奇なプロセスだな)

ユングの有名なエピソードとしては、ユングの患者が語る太陽の下からチューブのようなものが生えてそれが左右に振れると風が起きる、という一見他に類を見ないファンタジーと同様のものを古代の神話の中に見出し、かなり大きな時間を隔てても同じようなエピソードを人間に語らせるある種の仕組み(=元型)があるという確信に至った、というものがあるが、ユング自身が自分の得た黒の書に綴られたファンタジーやヴィジョンに神話的な由来や類似を探し、構造化するというプロセスが彼の中にはあったのだろう。

ユングの書としてはかなり特殊なので、まずはタイプ論や元型論などを読んでからの方がいいのかもしれない。どちらかというとこの本は内容的にはファン限定、に近いだろう。

ウェヌスタス カーボンT万年筆・レビュー

円筒形のカーボン素材を斜めにカットし、ペン芯とニブを仕込んで万年筆に仕立て上げたという印象のシンプルな軸、カーボンT万年筆
ニブはパイロット・EF14kニブ、インクはセーラーの極黒を使用。

カーボン素材は木目の様な模様が付いていて、光の当たる角度で色合いが変化し、見ていて飽きない。

手触りがとても良く、かなり軽く、同素材の専用ケースが付属している。

 

 

アウトライン:
構造は毛筆の様にシンプルで、カーボン製の筒と各パーツ接合用の金属パーツで構成されている。

カーボンを使用しているのでかなり軽い。

 

ディテール:
キャップは嵌合式。短くてインナーキャップの無いシンプルな造り。

 

首軸は斜めにカットされた二本のカーボン製の筒が重なっていて、内側のパーツは模様が違う。

パーツ固定の為か何故か首軸裏面に穴が開いており、それがこの軸唯一に近い欠点とでも言えるか。

ニブはパイロットのEF14kニブに換装した。

 

胴軸とも嵌合式で繋がっていて、尾栓にはキャップポスト用のパーツが付いている。

 

コンバーターは付属しておらず、一般的なヨーロッパ規格のものが使用可能。

 

総評:
素材のカーボンは独特のテクスチャを持ち、部分的に造りが粗いがそれを「味」と見ることも可能だろう。
現物を見ると色々と荒いし雑なんだけど何故か惹かれる所がある、現状お気に入りの軸。

 


スペック:
Venvstas CarbonT FountainPen/ウェヌスタス カーボンT万年筆
-全長・14.6cm(キャップ有り)/13.6cm(キャップ無し)/16.2cm(ポスト時)
-最大重量・15g(キャップ含め)/13g(キャップ無し)
-最大軸径・1cm(キャップ有り)/1cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

カヴェコ スプラ万年筆・レビュー

カヴェコ・リリプットを単純に大型化し、追加パーツで胴軸を長くして一般的なサイズの万年筆にしたという印象のカヴェコ・スプラ

パーツを外すと同社のカヴェコ・スポーツに近いサイズのショート万年筆にもなるという変わった軸で、ニブはプラチナのUEF14k、インクは<ブルーブラック>を使っている。

 

 

アウトライン:
全体のシルエットは同社のリリプットをそのまま大きくしたという印象。
各パーツはサイズ感や質感からライフル弾の薬莢を想起させる。

使用感はシンプルな形状やパーツ構成、クリップが無いキャップ等リリプットをほぼ継承しているが、素材が真鍮ムクなのでかなり重い。

 

ディテール:
キャップはネジ式でクリップは無く、インナーキャップも無いというシンプルな構造。
キャップ内部に広いスペースが有るので大型ニブが移植可能。

 

首軸はカヴェコ・スポーツとほぼ同じ形状ながら互換性は無く、かなりの大型ニブが付いている。
その為少し工作すると同じ位のサイズの他社製ニブを移植出来る様になる。

具体的には、首軸のインナーパーツ内にペン芯を固定する為の凸部分とニブを固定する為の凹部分が有り、これがペン芯の上下を決めている。

なのでその凸部分を細い棒ヤスリ等で削るとペン芯を上下反転出来、他社製の大型ニブを固定出来る様になる。

 

胴軸は分割出来、パーツを外すとリリプットと同じ長さのショート万年筆に出来る。軸径がかなり太く、サイズ感は同社のカヴェコ・スポーツに近い。

 

尾栓にはキャップポスト用のネジが刻んであり、ショート軸にするとカヴェコ・スポーツ用のレザーケースも使える様になる。

コンバーターは付属しておらず純正コンバーターを使用しているが、ショートカートリッジにしないとショート万年筆には出来無い。

 

総評:
超極細線が引けるプラチナ・センチュリーのUEF14kニブが移植出来る軸を探して辿り着いたが、カヴェコはリリプットといいスペシャルといい他の会社が出さ無さそうなユニークなデザインの軸を出すなぁ、といった印象。面白い。

しかしミドリ・ブラス万年筆の様にエイジング感が余り無いのは残念かな。あの軸のエイジング感は美しかったが。

 


スペック:
Kaweco Supra/カヴェコ スプラ
-全長・12.9cm(キャップ有り)/12.4cm(キャップ無し)/16.4cm(ポスト時)
-最大重量・54g(キャップ含め)/44g(キャップ無し)
-最大軸径・1.25cm(キャップ有り)/1.25cm(キャップ無し)

Kaweco Supra/カヴェコ スプラ (ショート軸時)
-全長・9.9cm(キャップ有り)/9.4cm(キャップ無し)/13.3cm(ポスト時)
-最大重量・41g(キャップ含め)/30g(キャップ無し)
-最大軸径・1.25cm(キャップ有り)/1.15cm(キャップ無し)

Kaweco Liliput/カヴェコ リリプット (参考用)
-全長・9.7cm(キャップ有り)/9cm(キャップ無し)/12.8cm(ポスト時)
-最大重量・10g(キャップ含め)/7g(キャップ無し)
-最大軸径・1cm(キャップ有り)/0.95cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

ワイスタジオ ポータブル万年筆 クラシック・レビュー

シンプルな六角柱のソリッドなシルエットと天冠に空いたアタッチメント用の穴が特徴的なystudioのポータブル万年筆
パッケージがかなり凝ってて豪華、ちょっと感動する。

実用的な軸なので細ニブのパイロットEF14kと顔料インク<ディヴァインシャドウ>を使用。

天冠のアタッチメントと頑強な銅製ムクのソリッドな六角軸が潔い、「ポータブル」の名に相応しい実用軸。

 

 

アウトライン:
クリップが無く、代わりにアタッチメント用の穴が天冠に空いてるソリッドシンプルな六角柱は金属ムクで頑強且つ実用的。
軸径的には若干太めの細軸に分類されるか?

素材が胴なので質感の深みの増すエイジングも楽しめて良い感じ。(嗅ぐと同じ素材なので十円玉の匂いがする…)

素材表面は若干粗めな仕上げ。(購入した当初は何か油脂のようなコーティング?がされてたが湿ったティッシュで拭いたら取れた)

ワイスタジオ ポータブル万年筆 クラシック

 

 

ディテール:
キャップは嵌合式で付け外しの感触はかなりスムーズでポストは不可。
クリップは無く代わりに天冠に穴が空いててフック等を付けられる。(かなり便利)

首軸は緩やかな曲線を引き、ネジ部にはOリングが使われている。(液漏れ防止とネジの緩みの防止用?)

ニブユニットはオーソドックスなシュミット製でペン芯は肉抜き穴のあるタイプ。(コスト配分が面白い)
なので予備パーツの確保もし易く他社の金ニブとかにも簡単に付け替えれる。

胴軸はほぼ胴製ムクでネジ部分が真鍮製。重量感が有り雰囲気もある。

付属コンバーターは一般的なシュミット製。

 

 

総評:
天冠のアタッチメントで何処にでも引っ掛けられるのがとても便利。
思わず((この天冠アタッチメントを持ったネジ式キャップのシンプルなエクリドールXSとかカヴェコ・リリプットみたいなショート軸が有ったらなぁ…))と思う程。

妙に充実したアクセサリーや外装の外箱なども含めて思わず((見事だなぁ…))と思った。
しかもその上使える実用軸、私の好みでお気に入り。

 


スペック:
ystudio Portable FountainPen: Classic/ワイスタジオ ポータブル万年筆 クラシック
-全長・13.8cm(キャップ有り)/12cm(キャップ無し)
-最大重量・47g(キャップ含め)/30g(キャップ無し)
-最大軸径・1.15cm(キャップ有り)/1.15cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

 

カヴェコ スペシャル万年筆 ブラス・レビュー

お気に入りの軸、カヴェコ・スペシャル万年筆のブラスバージョン
ニブはパイロット・カスタムの金ニブF14kに換装し、インクは暗黒緑色の<デモンヴェルデ>。

ブラスの鏡面仕上げが何気にかなり豪華な印象(なんかインゴットみたいな感じ)。

 

アウトライン:
ペンとしてはオーソドックスな形状ながら万年筆としては珍しい尖ったデザインで、価格帯にしてはかなり豪華でシャープな印象。

八角柱の輝くブラス軸は、細軸というには若干太め。
表面は鏡面仕上げなので、重さも相まって若干ツルツル滑り気味かな…(経年変化でどーにかなるかもしれないが)

ディテール:
キャップはネジ式でクリップ無しの潔いデザイン。キャップから胴軸にかけてのストレートなラインが美しい。
ネジ式なので気密性が高く、尾栓にもポスト用のネジがある。

 

ニブはパイロットのF14kニブに換装。やはり金ニブと鉄ニブには超えられない壁があるかな…
鉄ニブも線幅が丁度いいパイロットのFニブやラミー・サファリの軽く太めな軸に合った丸っこく硬いニブなど悪くは無いものも有るけど…

金ニブ交換に関してはブラック軸のレビュー鉄ニブを金ニブに代える為の記事を参考にしてください。

 

首軸にはOリングが仕込んであり、ネジの緩みや気密性の向上を目的としている模様。
同時にキャップと胴軸の「面」を揃える「遊び」部分ともなっている。
私は元々ブラックの軸を持っていたので首軸をブラックと交換した。

首軸交換の利点としては首軸 – 胴軸間の隙間から見える黒いOリングパーツが見え無くなる点と、金軸に黒アクセントというシックな色調となった事(なんかヴィンテージものとかに有りそうな印象となる)。

しかしブラスの首軸はブラック軸には使えないので、結果的にブラス軸の方しか使え無くなるが…

 

ちなみにクリップとコンバーターは別売り。
純正コンバーターは分解洗浄できるのでオススメ。

 

総評:
ブラックの軸とは全く別物と言える程印象がガラリと変わったカベコくん。

構成パーツがブラック軸同様ニブユニットとOリング以外全金属製なので頑強で信頼性はあるが、ブラックの方と違ってあんまガシガシ使う感じでは無いかな…今の所。
まあブラス製なのでエイジングによって印象もかなり変わるかもしれないが。

経年変化で色々変わって行くだろう事も含めて楽しみな軸。

 


スペック:
Kaweco Special FP: Brass/カヴェコ スペシャル FP:ブラス
-全長・13.6cm(キャップ有り)/12.6cm(キャップ無し)
-最大重量・35g(キャップ含め)/24g(キャップ無し)
-最大軸径・1.5cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

 

カランダッシュ バリアス万年筆 エボニー・レビュー

エクリドール譲りのソリッドな六角柱、カランダッシュ バリアス万年筆
黒檀を素材とした軸としては手持ちの中では2本目となる。

ニブはパイロットのF14kニブを移植し、インクはローズゴールドにちなんで赤系の<カーボンレッド>を使用。

豪華な印象で女性が持つと似合いそう。

 

アウトライン:
デザインは同社のレトロなデザインのエクリドールをモダンにアレンジした感じのソリッドな六角柱で、木軸ながらあまり「木」って感じじゃ無い。

 

細部も首軸 – 胴軸間のラインなどエクリドールよりデザイン的に煮詰められているが、首軸先端のプラスチック部分も角を丸めるなどして欲しかったところ…(エクリドール譲りながらこちらは首軸金属部分が丸められているので)。

軸径はエクリドールよりも少し太めのミドル級軸となっている。

 

色調は同じ黒檀を使ったファーバーカステル・クラシックコレクションのエボニーに比べると全体的に赤みがかっている印象。
金属部分のローズゴールドは酸化しないカッパーみたいな感じで、軸のエボニーも少し赤みがかってる。

カランダッシュ バリアス万年筆 エボニー

 

ディテール:
キャッップは金属ムクな感じで結構重い。ネジ式でクリップは金属ムクのバネ式。
クリップ付け根に隙間があるらしく気密性は低い。

天冠部分は六角形の鉛筆の断面みたいなロゴマークが凝ったつくりで施されている。

 

首軸は何気にエクリドールの物が使える。
構造はエクリドール同様Oリング状のゴムパーツが仕込んであり、首軸 – 胴軸間の気密性向上と液漏れ防止、ネジの緩みも防止している模様。

ペン芯はエクリドールやエルバンのスケルトン万年筆と同形状ながらタイトなつくり。

 

ニブは幅広なデザインでちゃんとローズゴールドで統一されている。
線幅はEF18kで国産のF〜M位。
しかし海外のニブは線が丸っこくて切れが無いので私はすぐ国産のニブに変えてしまう。

 

コンバーターは根元がネジ式で首軸に固定されるタイプ(初めて見た)。
首軸側のネジ部分が邪魔なので一般的なコンバーターが入らないが、専用以外だと細めのウォーターマンのコンバーターが使えた。

 

総評:
私が持つには少し女性的過ぎる印象かなぁ…と思ったが、使い易いエクリドールの系譜からかかなり使い易い実用的な軸。

デザインも流石に纏まっていて完成されている(エクリドールは全体的に大味な印象…最初に細軸のエクリドールXSの方を入手したからそう見えるだけかもしれないが)。

かなり完成度が高い、デザイン的にも実用面でも完成された軸。

カランダッシュ バリアス万年筆 エボニー

 


スペック:
Caran d’Ache Varius: Ebony/カランダッシュ バリアス: エボニー
-全長・13.6cm(キャップ有り)/12.6cm(キャップ無し)
-最大重量・42g(キャップ含め)/25g(キャップ無し)
-最大軸径・1.5cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

カランダッシュ エクリドール万年筆・レビュー

シンプルな六角柱にエレガントな装飾が美しいカランダッシュ エクリドール万年筆

ニブはパイロットのF14kに代えて、インクは銀軸に合う青系のインク<エターナライザー>にした。

既に手持ちだったショートサイズ版のエクリドールXSに比べて軸径が太くなり、角の丸みが増したので全体的に使い易くなった。

太め重めの軸なので線幅の太いニブが使い易い。

 

アウトライン:
六角柱のシンプルなシルエットながら、XSに比べ軸径が太くパーツの角やエッジが丸められているので、同じような軸径の万年筆よりも太めに見える(丸っこい)。

素材は金属ムクに銀メッキで表面には細かな模様が入っている。
表面はツルツルしているけど、滑り易く持ち難いという印象は無いかな。

 

ディテール:
キャップは嵌合式で、クリップは金属の剛性で挟み込むオーソドックスなタイプ。
大き過ぎるものを挟むと元に戻らなくなるので注意。

クリップと反対側の面にはXS同様イニシャル程度なら彫り込める名入れスペースが有る。

 

首軸はXSと共通で互換性がある。
しかし胴軸は太くなっているので首軸 – 胴軸間の段差がXSに比べたら目立つ。

構造はXS同様Oリング状のゴムパーツが仕込んであり、首軸 – 胴軸間の気密性向上と液漏れ防止、ネジの緩みも防止している模様。

 

キャップ内側と胴軸内のネジ部分には樹脂製のパーツが使用してあり、XSよりも手の込んだ造りになっている。(磨耗が心配ではあるが…)

 

付属のコンバーターはシュミット系に社名を入れたものだが少し特殊な形状。
他社では細めのウォーターマンのコンバーターが使える。

 

総評:
エクリドールXSの胴軸が長くなったバージョンかと思ったら、首軸以外モデルチェンジされてたらしく、XSの様な細軸というよりはミドル級の軸となっていた。

正直XSみたいな細めでシャープな方が良かったけど、使い易さではこちらが上か、といった印象。

 


スペック:
Caran d’Ache Ecridor/カランダッシュ エクリドール

-全長・13.5cm(キャップ有り)/12.2cm(キャップ無し)
-最大重量・41g(キャップ含め)/27g(キャップ無し)
-最大軸径・1.4cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.1cm(キャップ無し)

Caran d’Ache Ecridor XS/カランダッシュ エクリドール XS (参考用)
-全長・10.8cm(キャップ有り)/9.3cm(キャップ無し)/14.1cm(ポスト時)
-最大重量・28g(キャップ含め)/17g(キャップ無し)
-最大軸径・1.35cm(キャップ有り・クリップ含め)/1cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

エルバン スケルトン万年筆・レビュー

インクメーカーとして有名なエルバンのスケルトン万年筆
コンバーター付きで万年筆にしては超低価格なのでアイドロッパー化して使ってみる事にした。

ニブは使わなくなった海外軸の金ニブFを移植し(国産のF〜M位の線幅)、インクは同社のカーマインを入れてみた。

 

アウトライン:
オーソドックスなシルエットでかなりセンス良く纏められている素晴らしいデザイン。

低コストで、ともすれば安っぽくなりがちな透明プラスチックの軸ながらオモチャっぽさは全く感じない。

エルバン スケルトン万年筆

 

ディテール:
キャップは嵌合式で、クリップは金属の剛性で挟み込むオーソドックスなタイプ。

写真のキャップは付属のキャップではなく、同製品のバリエーションであるローラーボール用のキャップで互換性があり、ロゴのデザインが違う。

 

構造はラミー・サファリと同じようなミニマルなパーツ構成で、首軸は直接ペン芯とニブを嵌め込むタイプ。

シュミット系のニブとペン芯を使用してるらしく、ペン芯は手持ちの中ではカランダッシュのエクリドールXSモンテベルデのツールペン万年筆が同じ形状だった。(インクフローは渋め。部品取りにも使えるだろう)

 

素材は基本透明プラスチックで、胴軸は軟質プラスチックを使用しており手触りが良い。(経年劣化による強度の変化は不明)

私は尾栓の穴を瞬間接着剤で塞ぎ、アイドロッパー化(胴軸自体をインクタンクにする事)した。

やり方は穴を瞬間接着剤で塞ぎ、暫く置いて完全に乾燥したら1000番台の模型用の紙ヤスリで凸凹を整えるだけ。

 

製品バリエーションは複数あり、カートリッジ用のショートタイプブラス製でカラーバリエーションが有るタイプ、同型で首軸がインクローラー(万年筆インクが使えるボールペン)のタイプが有り、ある程度部品が共通の様だ。

エルバン スケルトン万年筆

 

インクローラータイプは首軸のプラスチック部分をニッパー等で壊して中のインクローラーペン芯を取り出せば、一般的な万年筆のペン芯と同サイズなので様々な万年筆をインクローラー化出来る。
が、サイズの擦り合わせの必要あり。(そもそもインクローラーにする意味があるかはともかく…)

インクローラーの線幅は万年筆におけるF〜M位。インクの色は漆黒の極黒ですら薄く出るので、色の濃いインクか淡くても味のあるインクが似合うだろう。

 

自社のカートリッジインクを気軽にお試し出来る廉価万年筆や廉価インクローラーの販売は上手な売り方だなぁ、と思った。

インクローラーのカートリッジを付け替える際は、ペン芯中のフェルトに染み込んだインクを暫く水に浸けて洗い流す必要があるだろうけど。

 

付属のコンバーターカヴェコのコンバーターと同一形状で、総プラスチック製。
カヴェコ・コンバーターとペリカン系コンバーターはハンドル部分の根元がネジ式で外れるため分解洗浄が出来る。

 

総評:
アイドロッパー化は首軸 – 胴軸間からの液漏れが心配だが、持ち歩き用の実用軸では無い為気にせず使っている。
しかしインクによっては色移りがするので注意。

超低価格でこれだけのクオリティの製品はかなり「買い」だろうと思う。
コストパフォーマンスの高いオススメの軸。

 


スペック:
J. Herbin Fountain Pen/エルバン スケルトン万年筆(ロング)
-全長・13.4cm(キャップ有り)/11.6cm(キャップ無し)
-最大重量・14g(キャップ含め)/9g(キャップ無し)
-最大軸径・1.5cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

J. Herbin Fountain Pen/エルバン スケルトン万年筆(ショート)
-全長・11.7cm(キャップ有り)/9.8cm(キャップ無し)/13.9cm(ポスト時)
-最大重量・12g(キャップ含め)/8g(キャップ無し)
-最大軸径・1.5cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

ファーバーカステル万年筆 オンドロ・レビュー

ソリッドでポップな美しい軸、ファーバーカステル万年筆 オンドロ
万年筆としてはかなり個性的なデザインだけど、造形としてはかなり高精度で好感が持てる。

ニブは線が太いので使わなくなったクラシックコレクション・エボニーのEF18kニブに代え、インクは白い軸に合わせて爽やかなセーラーの青墨にしてみた。

 

アウトライン:
デザインは短めでかなり太めの六角柱という、ソリッドでボリュームのあるデザイン。
首軸周りは削った鉛筆を思わせる形状をしており、滑らかな曲線を描いている。

ファーバーカステル万年筆 オンドロ

 

ディテール:
キャップは金属製の嵌合式で、パーツとしてはゴロッとしていてかなりのボリューム。
キャップの内側は半透明のインナーパーツが覆っているが、入り口から少しハミ出て見えるのが残念。

クリップはバネ式で、金属のムクでは無く中身は中空になっている。

 

首軸は短めながらエレガントな曲線を描いている。
樹脂軸は首軸と胴軸との間に継ぎ目が出来て目立つが、木軸は首軸が金属製なので継ぎ目は気にならなさそう。

首軸インナーユニットはファーバーカステル低価格帯モデルで共通のものを使ってるようで、同社のアンビションと互換性がある。

ペン芯は一般的なシュミット系のもので、ニブは同社のクラシックコレクション・エボニーのものを流用してみた。

胴軸はほぼ全てプラスチック製なので、ボリュームが大きめながらかなり軽い。

 

付属のコンバーターは一般的なシュミット系に社名を入れたもの。

 

総評:
正直この持ち歩きに適さない、ほぼプラスチックで出来た軽量の太軸はあまり実用的とは言えないけれど、デスク上で使う分にはオブジェ的な意味でもカッコよくって面白い軸だな、と思った。

ファーバーカステルの軸は高精度な造形なのでどれも好感が持てる。

ファーバーカステル万年筆 オンドロ

 

備考:
インクを入れる際、プラスチック製の白い首軸にインクが染み付いてプラチナのインククリーナーに浸けても取れなかったけど、消しゴムでこすったら消せた。

 


スペック:
Fabercastell Ondoro/ファーバーカステル オンドロ

-全長・12.8cm(キャップ有り)/12.5cm(キャップ無し)
-最大重量・34g(キャップ含め)/17g(キャップ無し)
-最大軸径・1.9cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.4cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)

ヤード・オ・レッド万年筆 レトロ・レビュー

雰囲気のある樹脂軸が欲しく選んでみたヤード・オ・レッド レトロ万年筆
ニブはパイロットのEF14kニブで、インクは黒い軸に似合う緑黒色の<ベルベットダークネス>

ほぼ樹脂のみの軸は想像以上に軽かった。

 

アウトライン:
全体的には同社のバイスロイとほぼ同じデザインながら、細軸のバイスロイと違いラミー・スカラに近いミドル級の軸径。
素材はほぼ樹脂製で金属パーツ部分は銀製となっている。

かなり軽めの樹脂軸にはギロシェ模様が入っていて雰囲気がある。

キャップと胴軸には段差があってバイスロイみたいなストレートなシルエットでは無い。

ヤード・オ・レッド レトロ万年筆

 

ディテール:
キャップは嵌合式で、開け閉めは固く素っ気無い感じ。

クリップは金属の剛性で挟み込むタイプ。大き過ぎるものを挟むと戻らなくなるので取り扱い注意。
根元部分にはシリアルナンバーが刻まれていて、造形はバイスロイと同じながら細部は若干変更されている。

キャップ金属部分にはMacのメニューバーみたいな感じで小さなアイコンが並んでいて、意味は銀の品質保証や製造年等を示しているらしい。

 

銀製の首軸部分はバイスロイと同パーツになっていて互換性がある。
同じパーツながら胴軸はこちらの方が太めなので首軸 – 胴軸間には段差がある。

ニブはパイロットの金ニブFに換装して、バイスロイのEFニブの首軸と丸ごと交換した。(バイスロイ系の首軸はペン芯が外せないのでニブが外し難く、固定にした方が良いと思ったので)
ニブ交換に関してはバイスロイ・レビューを参考にしてください。

 

付属のコンバーターはペリカン・コンバーターと同型で無刻印のもの。

 

総評:
個人的には気に入っているけど、値段が値段なだけにデザインや素材感を実際に確認してからの購入を勧めます。

軽い軸は個人的に使い難いんだけど、この軸を使い込んで見て軽い樹脂系の軸の利点も体感してみようかな、と思った。

ヤード・オ・レッド レトロ万年筆

 


スペック:
Yard-O-Led Retro/ヤード・オ・レッド レトロ

-全長・13.9cm(キャップ有り)/12.3cm(キャップ無し)
-最大重量・23g(キャップ含め)/15g(キャップ無し)
-最大軸径・1.45cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.1cm(キャップ無し)

Lamy Safari/ラミー サファリ (参考用)
-全長・14cm(キャップ有り)/12.9cm(キャップ無し)
-最大重量・18g(キャップ含め)/10g(キャップ無し)
-最大軸径・1.7cm(キャップ有り・クリップ含め)/1.2cm(キャップ無し)